繰り返す乳首の湿疹、パジェット病否定でも組織検査すべき?

昨年の夏に、暑さで蒸れたせいか、右の乳首が痒くなり、乳腺炎と言われてモイゼルト軟膏と頓用でステロイド軟膏を塗って凌いできました。しかし、治ったかと思えば、忘れた頃にまた強い痒みが出てきます。その度にステロイド軟膏を塗るとおさまりはします。それを定期的に繰り返しています。
この一年近く、複数の皮膚科専門医にルーペで診ていただき、湿疹かアトピーであり、パジェット病ではないと言われてきました。しかし、もう1年近くも上記の病状が続いているため、一度組織検査をした方が良いのではないかと思うようになりました。
先生方のご意見と、もし組織検査をする場合、大掛かりなものになるのかどうか、教えていただきたく思います。

神奈川の皮膚科専門医

乳首のかゆみが1年以上続き、複数の医師による診察で湿疹やアトピーと診断されているとのことですが、症状が改善せず心配が続くのは理解できます。パジェット病は乳腺に関連した皮膚病変で、早期に発見すれば治療が可能ですが、他の疾患と症状が似ているため、確定診断のために組織検査を行うのは適切です。

組織検査は通常、局所麻酔を使用して小さな部分を採取し、顕微鏡で病理学的に調べるものです。大掛かりな手術ではなく、比較的簡単な手順で、数日で結果がわかります。万が一、パジェット病が疑われる場合、早期発見によって治療方法も異なりますので、検査を受けることをお勧めします。

再発を繰り返している場合や心配な症状が続いている場合は、医師と相談して検査を受けるのが安心です。

狩野 貴之

乳房パジェット病の診断は、乳頭の状態を診ればおおよそわかりますが、実際には乳頭部の組織検査で正式にわかります。ふつうは局所麻酔して乳頭の一部をほんの少しですが切除します。乳頭の変形を残すほどではありません。なかなか治らない場合は乳腺外科への受診を勧めます。

本内容は病気の治療の根拠として使用できませんので、その点を十分に理解し、医療機関を受診するかどうかはご自身で判断し、リスクは自己負担でお願いします。