膀胱がん後の膀胱萎縮での全摘
今年76歳になる父のことです。
5年前に膀胱癌で内視鏡手術をしています。
それ以来、ずっと尿管を入れてるのですが、尿路感染症に3ヶ月に1回程度で感染し、年に4〜5回39度ほどの熱を出します。
あと、毎日痛みもあるようで、毎日のように痛み止めを飲んでますし、尿も漏れることが多く、次の尿管の交換時期前には何かしらのトラブルで通院してます。
そこで、お聞きしたいのが、
1.毎日痛みで辛そうという理由で膀胱全摘は可能なのか
2.76歳の膀胱全摘はリスクが高いのか
3.こんなに何度も尿路感染症にかかっても問題無いのか。
4.人工膀胱にすると、尿路感染症のリスクは減るのか。
一生尿管をつけたまま、痛みや熱に耐えながら生きていくのか、全摘して人工膀胱をつけるのか、父も決めることができず、今も痛み止めを毎日のように飲んでます。
先生方のご意見が聞きたいです。
膀胱癌に対して経尿道的手術を複数回行い伸展性が低下した膀胱に対して全摘手術を行うことはあります。ただ5年間で膀胱癌の再発がないのであれば、癌の根治を目指す全摘手術の必要はないと予想され、その場合には膀胱の一部は残して腸管を利用した「膀胱拡大術」のほうが排尿のQOLは良いかもしれません(下記参照)。膀胱が低圧化することで感染リスクは大幅に経験します。
>1.毎日痛みで辛そうという理由で膀胱全摘は可能なのか
⇒萎縮膀胱で膀胱全摘を行うことは結構あります。可能です。
>2.76歳の膀胱全摘はリスクが高いのか
⇒基礎疾患がない方であれば、それほど高リスクではないと考えます。
>3.こんなに何度も尿路感染症にかかっても問題無いのか。
⇒高熱をともなう尿路感染症は命にかかわることもあり、危険です。
また腎盂腎炎であれば、腎機能も低下していくことがよくあります。
>4.人工膀胱にすると、尿路感染症のリスクは減るのか。
⇒回腸導管という尿路変更であれば、尿路感染リスクは減ると考えます。
ご質問ありがとうございます。
1→痛みだけでは全摘しないことが多いです。
2→基礎疾患次第ですが年齢だけでできないということはありません。
3→抗生剤投与が続くと耐性菌ができるという可能性はあります。
4→尿路変更した場合はそれに伴う感染のリスクはあります。